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「課長、そーゆーコトで、俺も定時で帰ります」
今のやり取りを課長も聞いていたであろう。
「お疲れ」
「お疲れ様でした」
課長の口許が緩んでたのは確認済み。
付き合ってねーよ?
お持ち帰りでもねーよ?
絶対なんか勘違いしてそーだな。
てか、なんで俺、頷いたんだろ?
* * *
へぇ、意外。
東堂の部屋はモノクロ調のシンプルなものだった。
俺のイメージ的にピンクばっかの部屋だと思ってたんだけど。
「適当に座ってて」
「ん」
東堂は家に招いてくれた。
夜なのにオンナがオトコを簡単に家に上げちゃダメだろ。
なんて思いながらも白いソファーに腰掛けた。
「飲み物何がいい?」
「何があんの?」
「オレンジジュース、リンゴジュース、ブドウジュース、と麦茶」
……は?ジュースばっか?
小学生かよっ
「え…じゃあ、リンゴジュース?」
「なんで疑問形なのよ!?」
「………」
「ま、いいわ。
青リンゴジュースと普通のリンゴジュース、どっちがいい?」
どっちでもいーわ!なんて言えるハズもなく、
「…青リンゴ」
と答えれば、東堂は青リンゴジュースとショートケーキを出してくれた。
東堂は麦茶のみ。
「ジュース、飲まねぇのな」
あんなにジュース買いこんでるくせに。
「ジュース飲んだら、眠くなるの。せっかくDVD見るんだから、寝たくないのよ」
ジュースで眠くなるのかよ。
嘘だろ?
「ショートケーキは?」
「キライなの」
じゃあなんで買ってあるわけ?
…わかんねぇ奴。
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