69人が本棚に入れています
本棚に追加
「お嬢さん!人の気遣いを何だと思ってるんだ!!これだから、最近の若「あーっ!!分かった、分かったから。私が悪かった。とりあえず、どんな話か教えて」
黒猫は怒り顔から一転、ニヤリと妖しい笑みを浮かべていた。
「約150年前に本当に起きた、君にも関わる不思議な話さ」
「……え?」
訳がわからない。
「一体どういう…「おっと、この先はお嬢さんが聞くというならば話すよ」
「………」
「どうする?」
「…聞く」
その言葉を聞いた猫は満足げに頷く。
「そうかい。まぁ、立ったままというのもなんだ。あの桜の樹の下に座ろう」
黒猫が示したのは、あの桜の大樹だった。
そこへ行き、樹の根元に腰掛ける。
「じゃあ、始めようかね。…と、その前に。ずっと“お嬢さん”って呼ぶのもなぁ。お嬢さんの名を教えてくれるかい?」
「誠志-セイシ-。誠の志って書くんだ。男の子みたいな名前でしょ」
黒猫は首を横に振る。
「いや。誠志、良い名じゃないか。僕の名は浅葱-アサギ-。ずっと昔にもらった名なんだが気に入っていてね、ずっとこの名を使っている」
そう言った黒猫はふわりと笑った。
そして、真剣な表情になる。
「それじゃあ、始めようか。
とても不思議で…
とても温かい物語を…」
最初のコメントを投稿しよう!