~壱ノ噺~抜刀

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あたりは真っ暗な夜 まだ外は寒い、白い息をきらしながら美奈子は家路へ急ぐ いつもはこんなに帰りが遅くなることはない 「あぁ~もうっ最悪っ!」 美奈子は『今日』のことを振り返る 親友の佳奈と些細なことで口喧嘩、よりによって恐い先生の授業の時に『忘れ物』をする、部活で『ちょっとしたミス』で顧問にしこたま怒られる、塾では『宿題』をたんまり出され、帰りに財布を無くしたことに気づき探したけど見つかる気配すらない…。 こんな日があって落ちこまないわけがない 「はぁ~」 ため息が白い息に変わり寒空の中に消えていく
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