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それは、紛れもなく退学通知書だった。
…涙がこぼれそうだった。
あんな人たちの中にもういなくていいんだよ?
せいせいしてるはずなんだよ?
うれしくてたまらない
はずなのに…。
…本当に、一人になっちゃう。
あのうるさい教室で私は確かにひとりぼっちだった。でも、あそこは自分に一人じゃないと、
言い聞かすことができる場所で。何より、自分は『普通』なのだと思い込ますことができる場所で。
私は今にも溢れそうな涙を校長先生に見られたくなくて、早足で部屋を去ろうとした。
「待ちなさい。君に紹介したい場所があるんだ…
千裂 潤(センザキ ウル)くん」
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