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真っ暗だ……
どこまでも真っ暗だ……
ここはどこだ……
俺は何をしてたんだっけ……
全く思いだせない……
まあ、いいか……何か疲れた……
目を開けていても、真っ暗なら閉じていても同じ事だと思い、静かに目を閉じる。
目を閉じる事で、今まで聞こえなかった音が聞こえる。
耳を澄ませば、澄ませるほど、鮮明に聞こえる音。
これは……雨音か?
そう言えば、体が冷たいな……濡れてるからだ……
つ~か、何で雨の中にいるんだ?
雨の当たらない所に移動しようとしたが体が動かない……
ダメだ……全然動かないや……
体を動かす事を諦め、力を抜く。
寝たまま、じっとしていると、遠くから、人の声が聞こえる。
「…………き……」
それが人の声である事なのは確かなのだが、何を言ってるかが、聞き取れない。
「……ゆ………き……」
少し鮮明に聞こえてきた。意識を集中させて、耳を澄ます。
「悠樹!!」
俺の名前だ……
自分の名前だと気付き、再び目を開けると、今度は真っ暗ではなく、どんよりとした雲が目の前に広がっていた。
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