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その夜は日付が変わった頃ベッドに潜り込んだが、寝付けない。何度も寝返りを繰り返す。
揺れる建物、鳴り響く緊急地震速報。全てが私の眠りを妨げた。
運良く眠りについても、すぐに目が覚める。携帯電話から発せられる音さえ、この日は不安を煽る存在になっていたのだ。
目を閉じるとまた地震が来ているのではないか? という錯覚に陥り、揺れているのかいないのかが、わからなくなった。
心理状態は完全に不安定になり、翌朝鏡を見ると目の下にはクマができていた。
「今日も仕事なのに、こんな暗い顔じゃ駄目だ……」
職場に向かう途中何とか気をまぎらわせようと、自転車を無我夢中で走らせた。
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