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三月十三日、日曜日。
この日も朝から余震が続く。ニュースで繰り返し映された光景はまるで映画のワンシーンのような、現実とはかけ離れたものだった。
津波が堤防を軽々と乗り越え、車や家屋を押し流し、何処からともなく悲鳴が轟く。多くの人が生活を営んでいた街が、瓦礫の山に変わり果ててしまったのだ。
自然の脅威を改めて実感させられた。自然をコントロールしていると思っていた人間の傲慢さが露呈されているようだった。
「人間が環境を破壊してきてしまったことに対する、自然の怒りなのかな?」
友人から送られてきたメールに、私は返す言葉が見つからない。現実から目を背けたい気持ちを、何とか抑えるのに必死だった。
今回の震災でもし津波が発生しなければ、助かった命はたくさん有ったはずだ。そう思うと更に胸が苦しくなり、涙が頬を伝った。
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