悪夢

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 その時、私の左手に握られていた携帯電話が着信を知らせる。友人からのメールだ。  内容は安否を確認するものだった。慌ててこちらは無事であること、そして友人の身を案じていることをメールに打ち込む。  奇跡的にそのメールは送信された。何とか冷静さを取り戻して、家の片付けを始める。繰り返し襲い掛かる余震に、負けてはいられなかった。  しかし、悪夢はこれだけでは終わらない。もう一つ、津波というとんでもない魔王が私の住む街から遠く離れた海岸付近に近付いていたのだ。
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