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元気に挨拶したアリスにマイロイドもきちんと挨拶を返すが、そのマイロイドは何処と無く暗い顔をしており、服も薄汚れている。
「どうしたんですか? マスターと一緒じゃないんですか?」
疑問に思った美鈴がマイロイドに尋ねる。
「マスターハ……イマセン」
「いない……? どういう……」
その瞬間、マイロイドはそれまで体の後ろに隠していた右手を大きく振りかざした。
「お、お姉ちゃん!!」
アリスが驚いて尻餅をつく。
「!!」
二人は絶句した。振りかざした手には包丁が握りしめられている。美鈴は咄嗟にマイロイドの目を見つめたが、最早その目には生気が無い。
「アリス逃げ……っ!!」
「お姉ちゃあぁぁん!!」
「……………………」
マイロイドの手は容赦なく降り下ろされ、鋭い刃先が美鈴の綺麗な目を貫いた。
「お……姉……ちゃん……?」
その場に倒れた美鈴の目からは血が止めどなく溢れてくる。
「お姉ちゃん! お姉ちゃん! 動いてよお姉ちゃあぁん!!」
泣きじゃくるアリスが美鈴の名前を叫ぶが、美鈴はびくともしない。
「止めろ!!」
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