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私が急いで学校に行っている時、
家でこんな会話がされているとは、
知るよしもなかった。
―――――――
ったく、あいつは自分のことがわかってない。
「伊織、変わったな。」
父さんがしみじみと言う。
「そうね。でも、伊織はもともと可愛い子だったから。」
そう、伊織は可愛い。
身内の贔屓なしにだ。
伊織の周りには昔から人がよく集まった。
そして、小学校の頃からよく告白されていた。
中学校の時はそれを阻止するべく、俺は伊織にダサい格好をさせていた。
でも、それでも伊織の可愛さに気付くやつもいた。
…え、ちょっと待てだって?
なぜ、そんなことをするかだって?
それは…、伊織が可愛いからだ。
シスコン?
そんなことは知っている。
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