目覚まし三分前に

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「…さむ」 なにこれ。これでも3月?? 「香奈っ!!おはよっ」 前の方から走ってくるのは 親友の亜季。 「おはよ。寒いねー」 「寒い寒い。行こっか」 いつもの道。 毎朝キツい坂道。 かわいいエプロンしたおばちゃんが いつも掃除している。 古びたお好み焼き屋さんから漂う いい香り。 毎日当たり前だった光景だけど、 もぅ あと二日なんだ。 そう考えると やっぱり寂しい。 他愛のない話をしながら 学校の校門をくぐる。 目覚まし三分前は やっぱりいいことの前触れ。 ――――あなたに出会えた。
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