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「うおっ!すげぇ桜・・・」
駅をでると大きな並木道があり、道の両脇には沢山の桜が植えてあった。
夕焼けのなか、悠然と立つ桜達。
オレはしばし見とれていた。
「流石は桜欄市。桜が多いな・・・」
オレは新しいこの町で始まる学園生活に胸を・・・胸は無かったな。
心を踊らせて、新しいマンションに向かって歩き始めた。
・・・何てカッコつけてる場合じゃない。申し遅れた。
オレの名前は桐生匠海(きりゅう たくみ)。この春から高校生になる。
自慢じゃないが、容姿の悪さには自信がある。
ちょっと長めの髪はきっとオタクに見えるだろうし、肌も白いから病弱に見えるだろう。
オタク・・・とまではいかないが、アニメや小説は好きだ。
さらに実際はちゃんと鍛えてるが。
女子はオレと目を合わせただけで顔を真っ赤にして逃げてしまう。
そんなオレは非リア充だ。
・・・とてもどうでもよかったな。
オレの両親が去年、交通事故でこの世を去り、中々仕事がうまくいっていたらしい父親の遺産によって、この桜欄市で一番の神(進)学校である、桜欄学院に入る事になった。
まぁ、父と関係のあった人が働いていた。
というのが一番の理由だが。
桜欄学院とは、俗に言うお嬢様学校で、共学ながら生徒の八割が女子という高校だ。
政府の要人の娘も多く通うこの学院で、オレは青春を謳歌出来るのだろうか・・・
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