3 ~boy talks girls~

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いきなり名前を呼び捨てにされて、オレはドキッとして振り返る。 葵が目の前に歩いてくる。ちょっと目つきがキツイ。 「何ビックリしてんのよ。名前で呼んで欲しいんでしょ?」 あれ?聞いてくれてないと思った自己紹介、聞いててくれたんだ。 「自己紹介、聞いててくれたんだ」 「違うわよ。寝ようとしてウトウトしてたら、勝手に聞こえて来たの。入学早々に女をひっかけるなんて、匠海ってもしかして女たらし?」 「ひ、ひっかけてなんかないよ。佐久間さんとゴミを捨てに来てただけだよ」 慌てて言い訳する。 ヘンな誤解されたら、麗香にまで迷惑をかけてしまう。 「ふーん。名前で呼び合って、押し倒してキスしようとするのがゴミを捨てに来てただけ、ねぇ」 作戦失敗! そりゃ、ゴミ捨てって言うには無理ある状況だったけど。 「あれは麗香に・・・いや、佐久間さんに間違えてぶつかっちゃったんだよ、ちょっと考え事しててさ。」 ・・・しばし沈黙。 すると葵はニコッと笑顔になった。 「なーんだ、そうだったんだ」 無邪気に笑うと、神楽さんって・・・結構、いや、かなり可愛いよな。 「じゃ、佐久間さんとは単なるクラスメイトなんだね」 「もちろん。あー、でもよかった。神楽さんと話せて。今日、ずっと目も合わせてくれなかったから、嫌われてるんじゃないかって、不安だったんだ。・・・でもなんでそこの木の上に?」 「あそこはあたしの昼寝スポットなの。それと、葵」 「ふぇ?」 「佐久間さんの事、名前で呼んでたでしょ。単なるクラスメイトなのに。だったらあたしだってクラスメイトなんだから、名前で呼ばなきゃ変じゃない?」
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