1177人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから・・・その・・・」
もじもじと顔を少し赤らめてうつむく麗香。
こ、この仕草は反則じゃないか・・・。
「い、一緒に、学院へ、登下校してくれませんかっ!」
半ば怒鳴るように麗香は言った。
「え・・・?」
一瞬事態が飲み込めなくなる。オレに?オレに言ったのか?
・・・いやいやいや!!んなバカな。
こんなマンガのような話があるのか!?ヤラセなのか!?
チラッと麗香をみると、不安そうにこちらを見ていた。
「やっぱり・・・ダメですよね・・・」
今にも泣いてしまいそうだ。
う、、、これは、マズイ!
「い、いや、オレで良ければ喜んで」
実際、飛び付くような提案だ。
みんなもわかるだろう?
美少女と一緒に登下校だぜ?
誰もが夢見るシュチュエーションじゃないかっ!
この事態に興奮できない奴は、ホモの疑いがある。
すると麗香はパッと嬉しそうな顔になり、
「ありがとうございます!桐生さん」
と満面の笑みを浮かべてくれた。
か、可愛い・・・。
っと、そうだ。
「ごめん、それとさ、、、オレの事、名前で呼んでくれないかな?」
すると麗香はパチクリと瞬きをした。
「名前・・・ですか?いいですけど・・・どうしてですか?」
もっともな質問だ。
「オレさ、名字で呼ばれると親近感が持てないって言うかさ、仲良くなりたい人とか、友達には下の名前で呼んで貰うんだ」
と言っても、『桐生という名字が言いづらい!』
という友達が名前で呼んだのが最初だが。
最初のコメントを投稿しよう!