1 ~boy meats girl?~

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「そうですか・・・わかりました。『匠海さん』」 麗香は、ちょっと恥ずかしそうにうつむいて呼んだ。 「うん。そう呼んでくれた方が嬉しいかな」 「なんか名前で呼ぶのって、不思議な気分ですね」 「はは、すぐに慣れるよ」 「そうですよね、匠海さん。―――――匠海さん、匠海さん」 麗香は、顔を赤くして『匠海さん』を繰り返した。 流石に女の子から何度も名前を呼ばれるのは恥ずかしい。 「別にそんな沢山呼ばなくてもいいってば」 「だって、すぐ慣れたいんですもん。もしかして匠海さん、恥ずかしがってます?」 「は、恥ずかしくないよ――――もう、からかうなって」 顔を少し紅くして叫ぶ。 すると麗香も少し頬を染めて、 「い、いつもは私も男の子を下の名前で呼んだりしませんよ・・・でも、今日のわたし、ちょっとヘンかも、匠海さんにぶつかったり、下の名前で呼んじゃったり・・・」 ふふふ、と自分でもおかしそうに、麗香は笑った。 「こういうの、なんて言うか知ってます?」 「・・・なんて言うんだい?」 「『運命の出会い』です」 オレは、麗香とぶつかった瞬間を思い返した。 あの一瞬、彼女の美しい顔に確かに、惹き付けられた。 それが・・・運命?? 「なーんて、冗談ですってば!何真面目な顔してるんですかっ」 麗香はチロッと悪戯っぽく舌を出した。 「じょ、冗談・・・?」 オレはただただ呆然としてしまった。 「あ!もうこんな時間!」 麗香は腕についている高級そうな腕時計を見て言った。 「買い物を頼まれてたんでした。そろそろ行かないと、卵が売り切れちゃう」 ・・・なんとまぁ、主婦みたいなお嬢様だなぁ・・・
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