序章

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「失礼します」 ドアを開き、出来るだけ顔をあわせないようにしながら部屋に入った。 「もーそんな遠慮しちゃってん♥アタシと仁ちゃんの仲じゃな~い♥♥」 ここの理事長は……オカマだ。 そして俺は好かれている。 普通なら相手にしないのだが、これにはワケがあって。 まぁそれはまた今度。 「久しぶりねぇ仁ちゃん😍♥」 「……あぁ」 「きゃあああ!いいわぁその低音!!!食べられちゃっても 『間違ってもそれはない』 …ンもう!ひどいわ!」 俺はこの学園の理事長、浜辺厳次郎(51)妻子持ちが苦手である。 「……さて、話に入ろうか」 しっかりと男にもなれる、この理事長が苦手である。 「君には本日付けで三年九組の担任になってもらうよ」 ヤンキークラス、と話は聞いていた。 俺が適任だと、直々のスカウトで俺は教師になった。 「………はい」 「君は私に恩がある。しっかり返してくれ」 恩を返せる、給料も貰える。 そんな話を蹴るわけがなかった。 「ご期待に沿えるよう、尽くします」 深く、一礼。 「きゃあっ♥尽・く・す・なんてキュンときちゃうわぁっ!😍♥♥」 「(こンのオカマがぁッ……!!)」 こうして、俺の教師生活は幕を開けた。
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