三年九組

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「おい、聞いたか?」 「あぁ、また担任変わるって?」 教室ではその話で持ち切りだった。 俺たち三年九組の担任はしょっちゅう変わる。 まだ一学期、6月にもかかわらず、今度の担任で七人目。 「またすぐやめるだろ」 「だよな」 「つーか、担任とか必要?みたいな感じじゃね!?」 「アッハ☆それ言えてるー!!」 俺たちは教師というものに失望しきっていた。 学校に来るのは仲間に会うため。 進級したのは何となく。 そんな俺らだった。 あ、ちなみに俺は『高木真司(タカギ/シンジ)』という。 身長178㌢赤茶の髪は襟足が長いO型。 いい加減でたまに真面目なポジティブ男だ。 三年九組だけど、あんまりヤンキーじゃないつもり。 自分でいうのもどうかと思うけど、ぶっちゃけ俺ってカッコイイ。 という話は置いといて。 「あ、来たんじゃね!?」 足音を聞きつけた廊下側の奴が言うと、全員が注目した。 その足音は、ゆっくり歩いてきて、教室の前で止まった。 カチャリ ドアがゆっくりと開く。 そこには。 「うっわ……」 色白銀髪少し吊り気味のアイスグレーの眼。 綺麗な、少し気が強そうな顔立ちに見える(きっと眉が大きく綺麗に上がっているからだろう)。 背も185㌢はあるだろうか。 「かーっ……悔しいくらいキレー。ムカつく」 隣が囁いた。 確かに。 その男は、完璧に容姿端麗で、まさに美男子という言葉が相応しい気がした… 「今日からテメェ等の担任になった荒塚だ。 あんまナメてっと痛ぇ目見んぜ。よろしく」 ……のはどうやら気のせいかな。 口悪いよ、顔に似合わず。 新しい担任、ちょっと変。 それが印象的だったかな。
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