5人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、聞いたか?」
「あぁ、また担任変わるって?」
教室ではその話で持ち切りだった。
俺たち三年九組の担任はしょっちゅう変わる。
まだ一学期、6月にもかかわらず、今度の担任で七人目。
「またすぐやめるだろ」
「だよな」
「つーか、担任とか必要?みたいな感じじゃね!?」
「アッハ☆それ言えてるー!!」
俺たちは教師というものに失望しきっていた。
学校に来るのは仲間に会うため。
進級したのは何となく。
そんな俺らだった。
あ、ちなみに俺は『高木真司(タカギ/シンジ)』という。
身長178㌢赤茶の髪は襟足が長いO型。
いい加減でたまに真面目なポジティブ男だ。
三年九組だけど、あんまりヤンキーじゃないつもり。
自分でいうのもどうかと思うけど、ぶっちゃけ俺ってカッコイイ。
という話は置いといて。
「あ、来たんじゃね!?」
足音を聞きつけた廊下側の奴が言うと、全員が注目した。
その足音は、ゆっくり歩いてきて、教室の前で止まった。
カチャリ
ドアがゆっくりと開く。
そこには。
「うっわ……」
色白銀髪少し吊り気味のアイスグレーの眼。
綺麗な、少し気が強そうな顔立ちに見える(きっと眉が大きく綺麗に上がっているからだろう)。
背も185㌢はあるだろうか。
「かーっ……悔しいくらいキレー。ムカつく」
隣が囁いた。
確かに。
その男は、完璧に容姿端麗で、まさに美男子という言葉が相応しい気がした…
「今日からテメェ等の担任になった荒塚だ。
あんまナメてっと痛ぇ目見んぜ。よろしく」
……のはどうやら気のせいかな。
口悪いよ、顔に似合わず。
新しい担任、ちょっと変。
それが印象的だったかな。
最初のコメントを投稿しよう!