5人が本棚に入れています
本棚に追加
「シュワシュワ…?ああ、音鳴るやつね」
「そう。それ」
「確かになんか裕美子っぽいかも」
「それ、どういう意味」
「いや、なんかさ、最後の最後までしつこいじゃん裕美子。良い意味でね」
「なんか付け足しだよそれ」
「まあまあ」
柳美里が三島裕美子の頭をぽん、と叩く
「で、あの花火も最後の最後まで見所あるじゃん。音出して散ってくんだから。だから裕美子っぽい。」
「んーなんか納得できない」
三島裕美子が首を傾げる。
「よし決めた!あの花火、今度から裕美子号って呼ぶ!」
「ちょっと馬鹿じゃないの」
柳美里を肩で小突く。
「いいじゃん。あの花火も名前付けられて幸せだよ多分!」
「…まあいいよ別に」
「照れるなって」
「照れてないよ、もう」
三島裕美子が目を覚ましたのは、彼女の降りるバス停の二つ前のバス停であった。
最初のコメントを投稿しよう!