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「あれ?言ってなかったか?神藤がどうしてもダーツしたいって言ってたから、ダーツバーに行く事になってるんだけど」
ダーツ…。彼が最近よく聞く言葉である。
「あー神藤さんダーツ好きですからねえ。まあ自分は何も予定無いんで大丈夫ですよ」
「そうか、良かった。…あ、ところでさ」
「では後ほど」と言おうとしたのを上杉が止める。
「はい?」
「ニュース見た?あの福島の殺人鬼の」
「ああ、はい見ましたよ。何か被害者に共通点があるとかなんとかって」
「そう、その共通点の話なんだけど」
「あ、もしかして彼女さんですか?」
「うん。知ってるよなお前、美奈のこと」
「ああ…医学部ですね、そういえば」
「でさ、俺来週からツアーなんだよ。全国ツアー」
「彼女さん、連れていくんですか?」
「まさか。そんなことできないよ。それでなんだが」
「何でしょう?」
「お前の家にしばらく預けてもいいか?」
一瞬、彼には何を言っているのか理解出来なかった。
「いやいやいや。他の男に預けるなんて彼氏として…」
「美奈も了承の上だ。俺も中学から知っているお前を信用している」
「いや、まあ確かに美奈さんに何かするつもりはありませんが…」
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