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時刻は16時頃。
もうすぐあの子が帰ってくる。
俺は、狭いが日当たりの良い部屋で、今日はお昼寝もせず、あの子の帰りを待っている。
はやく喋ってみたい。
ミクの反応がみたい。
待ち侘びていたミクが、思い切り玄関を開く音がすると、バタバタと大きな足音が聞こえる。
今にもドアが壊れそうな勢いで入ってきた女の子。
あぁ、俺の主だ。
「ライー!今日はねー……キャーッ」
ミクは俺に気付くと耳に響く甲高い悲鳴をあげた。
俺は慌ててミクの口を左手で押さえる。
「ミク!落ち着け。
俺は……ライだ」
ゆっくり言い聞かすように言うと、ミクの口から手を離す。
少し落ち着いたらしいミクは、小さくかわいらしい口を開く。
「あなた、本当にライなの……?」
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