4人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
ミク、本当うぜぇんだって。
だってさ。
ミクは毎日寝るときは俺を抱いて寝る。
夏は暑いけど、抜け出したくても抜け出せない。
俺を風呂に入れる時だってある。
風呂は嫌いだって叫んでも、ミクには届かない。
俺を乾かす時なんて、鬣を洗濯ばさみで挟みやがる。
ドライヤーで丁寧に乾かしてほしいものだ。
ミクは俺の目の前で”シュークリーム”というものを食べる時だってある。
俺にも少しわけてくれたっていいじゃないか。
ミクは時々、カナトを想って泣く事がある。
俺が”人間”なら、抱きしめてやるのに。
俺が人間なら。
そっか、俺が人間なら、抱きしめられても抜けられるし、お風呂だって入らなくてもいいし、鬣を洗濯ばさみで挟まれる事もないし、シュークリームだって食べれるし、なにより。
泣いてるミクを抱きしめてやれる……。
俺、人間になりてぇよ。
神様、いるんなら俺を人間にしろよ。
最初のコメントを投稿しよう!