たんぽぽの綿毛の行き着く先は誰も知らない

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 様々な考えを巡らせる俺に、いつの間にか近くにいた女が話し掛けてきた。  その女は、細身の身体に白いワンピースを着て、長い金色の髪。  ミク以外の女を見た事がない俺でも分かるほど、綺麗な顔をしている。  誰だ?この女。 「そうかそうか、私は美人なのか。 嬉しいことを言ってくれるのう。 んー……そうだな、 私は”神様”とでも言っておこうか」  こいつ……人の心が読めるのか?  それに神様?  そんなもんいるわけがない。 「そりゃあ読めるさ。 なんて言ったって神様なんだからな。 いや、正確に言えば違うかも知れないが、そんなものどうでもいいさ」  いちいち心を読みやがって……こいつ、うざい。  俺はちょっと不機嫌になり、その女を睨み付ける。 「そんな事言っていいのかい? 私はお前を人間にしてやろうって言ってんのに」
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