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『騎士、武器を』
見届け人がそう言うと、エレナたちの前に武器の入ったケースが光と共に現れた。
何もないところに物が出てくるなんて不可能だと言われていた。
しかし、ディオル社は仮想空間を作り出し、それを何処からでも行けるようにした。
物を何もないところに出すなど容易い事だった。
確かに、技術は進歩している今なら出来る会社もあるだろう。
しかし、20年前にこれを作ったとなると話しは別だ。
こんな空間を作り出せる技術をどう考えれば、出来る様になるのだろうか?
ジェイクはいつも感心していた。
『ルールは、フリーでよろしいか?』
『フリーだもの。それでいいわ!』
『意義なし』
Kingdomには、大会用とフリー用と2つのルールがある。
1.武器は宣言した物のみを使うこと、他の武器を使用すれば反則となる。
2.相手を殺さない。
そのため、武器には全て刃がない。
その代わり微量の電流が流れている。
微量とは言え、受け続ければ大きなダメージになる。
3つ目が、大会とフリーで違う。
大会では、王は戦う事は出来ず、一撃でも入れられれば負けとなる。
フリーは、王は戦う事が許されており、武器は騎士の選んだ中から選べる。
たとえ、騎士が全員倒れても王が戦いに勝てば勝利となる。
『では、スタート!!』
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