黒い封筒

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『早く起きないと"カルナ"を呼ぶわよ?』 エレナのその一言でジェイクは飛び起きた。 "カルナ"とはレイナの3つ下の妹でジェイクのボディーガード。 なかなか起きないジェイクを起こす最終手段。 ジェイクは一度カルナに起こされたことがあった。 しかし、カルナの起こし方は乱暴でその時は腹を一発殴られた。 その破壊力は、凄まじく目が覚めるどころかそのままあの世へ逝ってしまいそうになった。 それ以来、ジェイクはカルナのモーニングコールに恐怖し、カルナと言われるだけで飛び起きてしまうようになった。 それを知ったエレナは、それを利用するようになった。 『わ、わかった!!起きるからカルナは呼ぶな!!』 『ふふふ♪それでいいわ。じゃ次は着替えて頂戴』 『あ、あぁ』 ジェイクは、ベッドから降りるとクローゼットからスーツを取り出し着替えて始めた。 着替えを終え、階段を降りるとトーストの焼けたいい匂いがしていた。 しかし、ジェイクにそんな時間などなく、エレナとレイナに連れられ家を出た。 ジェイクの家は部屋数20ある豪邸。 そんな豪邸の前に1台のリムジンと1人の女性がいた。 金髪ショートのオッドアイ。 ズボンのスーツを着た無表情な女性だった。
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