黒い封筒

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彼女がカルナ。 ジェイクが恐れる女性だ。 カルナは、エレナたちの様にコンタクトは入れずオッドアイのままでいた。 『ようやく起きたのか』 『あぁ・・・??おい、カルナあれは何だ?』 ジェイクは、微かに視線に入った黒い物体を再確認しながらカルナに聞いた。 しかし、カルナから返事はない。 ジェイクが深いため息をついてもう一度カルナに聞いた。 するとカルナは腕組みをし、ジェイクを睨んだ。 『見てわからないか?人だ』 『それを聞いてんじゃない!!!!』 『侵入者を倒して何が悪い?君の部下は倒してない』 『そうじゃない!!なぜ、あのままにしておく!!』 『僕は君のボディーガードが仕事。倒した奴を片付けるのは仕事じゃない』 カルナは、いつもジェイクを待っている間に黒い人山を作る。 昔は、侵入者であろうが無かろうが関係なかった。 屋敷にいるジェイクの部下もターゲットだった。 カルナにとってはただの運動に過ぎないがその損害は意外と大きい。 部下が、数日起き上がれなければ屋敷の仕事は全く行われない。 掃除も洗濯も庭の手入れも。 それをジェイクは、1人でやらなければならない。 自分の雇った者が、不祥事を起こせば、その責任を取るのが雇い主の役目。 そんなことがある度にジェイクは、カルナにきつく説教してきた。 その甲斐あり、今では屋敷の部下には手を出さなくなった。 『はぁ~。お~いレイモンド!』 『はい、坊っちゃま』 『あれ、片付けといてくれ』 『かしこまりました』 レイモンドは、ジェイクの父親の代からいる執事。 エレナたちが来るまでは、ジェイクの身の回りの世話をしていた。 今は、屋敷の者たちを統括し屋敷を守っている。 『行ってくる』 『行ってらっしゃいませ。坊っちゃま』 『行ってきますね、レイモンドさん』 『レイナ様、エレナ様、カルナ様。坊っちゃまをよろしくお願いいたします』 いつもの挨拶を済ませるとジェイクたちは車に乗り込んだ。
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