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「えーと…。 名前何てーの? 看護師さん」
「え? あ、 相原です」
とにかく、心ここにあらずで返事もままならない。
「じゃなくて…。 下の名前」
「あ、 亜希です。 相原亜希です」
「ああ。 先生がそう呼んでたっけ。 亜希ちゃん…」
「ゴホッ…」
思わずむせて、包帯巻く手が緩んだ。
「な、 大丈夫?」
彼も、驚いたみたいで、あたしの顔を覗き込んだ。
「あ、 大丈夫… です…」
「ふーん…」
って、またいたずらっ子の目だ。
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