第三話:【物語り】

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「成程、話は解りました」  村長宅の客室で、3人はいきさつの説明をしていた。  話がややこしくなりそうに感じ、ミノ爺さんには席を外して貰ったのは言うまでもない。 「はい、なのでその依頼ってのはちょっと……」 「うーん……それは困った事になったわねぇ……」 「えっ?」  首を傾げながらの台詞に、また若干嫌な予感を感じる2人。程なく、それは的中してしまう事になる。 「あの人、思い込んだらどこまでも突っ走っちゃうのよ。多分、あなた達が依頼とは関係ないって説明しても信じてくれないわ」 「そんな……どうすれば信じて頂けるんですか?」 「それはもう、方法は一つしかないわ」  優しく微笑むミクア村長。それは言わずもがな、答えを導き出していた。 「依頼を、こなす……しかない、と……?」 「そういう事ね」  2人が同時に溜息をつく。落ち込んだ表情までそっくりだ。  そして回避の道を諦め、リムを諭す事にした。 「悪いなリム、なんか面倒な事になっちまったから……ちょっとここで寄り道だ」 「寄り道……」 「どれくらいかかるかは判らないけど、なるべく早く片付けるようにするから……ちょっとだけ時間、ちょうだいね?」 「うん。大丈夫」  2人の予想を裏切り、あっさり許可が出る。ここでリムが『そんな余裕はない』等と言ってくれたら、などと期待していた2人は、それが外れて少し肩を落とした。 「よし……それじゃ、詳しい話を聞かせて戴けますか?」 「ありがとうね。じゃ──  村の入口。その近くにある切株に座っているミノ爺さんに、3人は声を掛けた。 「えっと……ミノさん」 「ん?おぉ、あんたらか!どうした?」 「その、問題になっている場所に案内してくれませんか?」 「おぉ、構わんよ!連れてったるで、着いてこやぁ!」  言われるがまま着いていくと、村を出て少し離れた所に地下へ続く洞窟の入口が現れた。  気温の上がりだした季節には気持ち良い、ひんやりとした空気が感じられる。 「ここが問題なんですか?」 「おぉそうよ。元々食料庫やったけどな、ちょっと前から魔物が住み着いてまってな」 「えっ?まさか、その依頼って……」 「おぉ、そいつを退治して貰いたいんよ」  予想もしていなかった依頼内容に、ユーゴとフィルの2人は焦りと冷汗を抑えるのに精一杯だった。
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