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高校の帰り道にあるカフェで最近いつも見かけるお姉さんがいる
1ヶ月ほど前から働き始めたらしい彼女は僕より8つくらい上だろうか
白いシャツに黒い少しウェーブかかった長い髪がよく似合う
いつも2時頃通り過ぎるだけの僕は彼女のことをよくは知らない
ただ、いつも気になってガラス越しに見とれてしまうのだ
お姉さんはとても綺麗。
「おい、泰!ぼけっとしてどした?」
「あぁ。うん!なんでも………
…行こ」
淳には絶対見られたくない
お姉さんは綺麗だから他の男がほっておかない
ほら。今だって同僚の男に話かけられてる
優しく笑う彼女はとても可愛い
「泰、早く行かねーと遅れる!!」
「どこ行くの?」
「やべーくらい楽しいとこ♪」
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―――――――
―――
―――
―
「楽しいとこって…カラオケ!?」
「ただのカラオケじゃねーぞ」
そう言って淳は受け付けを通り過ぎた
「う、受け付けわ?」
すたすた歩く淳はある部屋の前で止まりドアをあけた
「おっっっまたせーーーーい!!」
「「「きゃーーーー!!」」」
嗚呼。
そういうことか
恨めしい目で淳を見る
「だって泰、合コンって言ったらぜってー来ないじゃん」
そう言った淳はまぁまぁと言いながら僕を席に着かせた
中にはいつものメンバー。ミノ、オニュ、ケイ、そして隣の高校の制服を着た女の子5人。
「泰くんだよね?
やばーめちゃくちゃ可愛いんだけど!!」
隣のケバい女の子が話かけてくる
僕は「うん。」と愛想笑いをしながら答えた
「私ミキってゆーんだ!よろしくね?
泰くんミキのガッコで超有名なんだよ」
「よろしく!
そうなの?なんでだろうね?」
僕はこういうのが本当に苦手だ。
女の子が嫌いというわけではないけど、なんとなく愛想笑いですませてしまう
その後もいろんな女の子に代わる代わる話しかけられたけどあまり覚えていない
帰りに最初に話したミキにアドレスをどうしてもと頼まれたので交換した
「んじゃ解散しますかっ!!」
淳の言葉でみんな駅内でちった
最近僕はあの小さなカフェのお姉さんのことしか考えていない
完全に惚れてしまったのだ
大人な彼女は今、恋をしているのだろうか…
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