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ホーネスは授業中に体調不良になったため早退していた。
…らしい
僕は早々に帰る用意を済ます。早々と言っても何も持ってきていないのだが。
「さて、そろそろ帰るか…」
するとアンルの席が目に入った。
アンルも帰る用意をしていた。
朝は緊張して泣きそうな表情だったが今は違い、緊張しているのではなく、何かを悲しんで泣きそうなっているように見えた。
そしてお昼同様
「一緒に帰る?」の一言はやはり出ない。
しかし、僕が話さずとも転機は訪れた。
「ねぇフェル君…一緒に帰ってくれない?」
「う、うん、別にいいよ」
「よかった… すぐ用意をするから下で待ってて」
アンルは手を急がせる。
が、それが災いしてか彼女が持つ教科書が、まるで朝の僕のように床に落ちる。
「アンルさん、別にゆっくり用意してくれて大丈夫だよ。
…早く帰りたいから手伝ってあげるね」
「ありがとう…
あっ、今初めて名前呼んでくれたね」
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