第1章「出会い」

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「そうだっけ…」 「そうだよ! といっても、話事態、ほとんどしてないんだけどね」 アンルは引きつった笑顔を見せていたようだが、僕はその時、教科書を拾うのに集中していた。 集中するというよりも、顔を見るのが照れ臭いだけでもあった。 「そうだっけ…じゃあ、改めてよろしく」 「うん、よろしく」 良く見るとアンルは手を全く動かしてはいなかった。どうやら僕に名前を呼んでもらえた事が、かなり嬉しかったようだ。 そんなにも呼んでもらえた事が嬉しかったのだろうか? と考えている内に、僕は片付けを終わらせた。 もちろんアンルは、手をつけては、いなかった…
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