第1章「出会い」

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わき腹が痛いのを堪えつつ席に着く。 校門では余裕だった時間が既にギリギリになっていた。 「本当に大丈夫か?」 「もうマシになってきたから大丈夫だよ」 実際のところ、痛みは少しもやわらいではいなかったが、ホーネスに心配させるのも悪い気がしたのであえて嘘をついた。 「そうか… じゃあ俺は自分の席に行くよ」 首を縦に振り、コクンと頷いた時には既に席に戻っていた。 そして、いつものチャイムがなる。 …… 僕はこれから起きる事が目をつぶっていてもわかる。 まず朝のHRが始まり、先生がいつものように前に出て号令をかける… そう、いつものように… … 「あ、あれ?」 号令がかからなくて、変な声が出てしまった。 最悪だ。 これは注目を浴びる事になるだろうと回りを見渡すが、誰1人こちらを見ていなかった。 というよりも、僕以外の何かに釘付けになっているようだった。
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