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わき腹が痛いのを堪えつつ席に着く。
校門では余裕だった時間が既にギリギリになっていた。
「本当に大丈夫か?」
「もうマシになってきたから大丈夫だよ」
実際のところ、痛みは少しもやわらいではいなかったが、ホーネスに心配させるのも悪い気がしたのであえて嘘をついた。
「そうか…
じゃあ俺は自分の席に行くよ」
首を縦に振り、コクンと頷いた時には既に席に戻っていた。
そして、いつものチャイムがなる。
……
僕はこれから起きる事が目をつぶっていてもわかる。
まず朝のHRが始まり、先生がいつものように前に出て号令をかける…
そう、いつものように…
…
「あ、あれ?」
号令がかからなくて、変な声が出てしまった。
最悪だ。
これは注目を浴びる事になるだろうと回りを見渡すが、誰1人こちらを見ていなかった。
というよりも、僕以外の何かに釘付けになっているようだった。
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