六章

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「いやー、お前が替えの着物持ってるかなーって思って…」 「持ってます!それに私は…っ」 男です、と少し怒り気味に続けようとしたが遮られる。 「あー…その、ちょっといい?一さんも一緒に。」 「?」 ────── いつものように団子屋にやってきた。 「…ごめん、その、俺…聞いちゃって」 「え、なにを…」 一瞬、頭が真っ白になる。 違うことであって欲しい、と念じるがそれは叶わなかった。 「お前が、その…女って……」 「っ!!!」 「あっ、勘違いすんなよ?お前追い出そうなんて考えてないから!」 「…すみません。」 「謝るなよ。こっちこそ、お前の事情に気付いてやれなくて、ごめんな。」
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