六章

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「ありがとう、ございます。 …でも、なんで黙っててくださるんですか…?」 「…内緒」 少し赤くなりながら答える。 「そ、ですか…」 「…ちょっとだけでいいから、お前の女の格好、見たかったんだよね」 目を見て優しく笑いながら、平助は言った。 「っっ!」 「…」 赤くなる雪の隣で一はお茶をすすっている。 「どんな感じになんのかなーって。一さんや総司だってそうだろうし」 ちらりと一を見る。 「…興味はある」 「う、う…」 「ははっ、だから今度…」 「あんたら…なんて話してんのよ…」 「ううっお春ちゃん…」 団子を持ってやってきた看板娘に思わず泣きつく。
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