六章

14/48
前へ
/334ページ
次へ
「(雪、もしかしてばれたの?)」 「…はい」 はー、と深くため息をつく。 「で、そちらの方は?」 「あ、こちらは斎藤先生で…」 その名に春はぴくりと反応する。 「あーこの方が噂の…ふーん、へぇー」 ニヤニヤしながら一を見た。 「ちょっ、お春ちゃ…」 「…なんだ」 「いえ、雪にいろいろ聞いていたので気になって。 あ、あたしは春。この子の友人で…」 「そして恩人なんですよ」 春の後ろからぴょこっと顔を出し、そう付け加えた。 「恩人?」 「私が京にたどり着いた時に助けてくれて…」 「そうか。私は斎藤一だ。」 よろしく頼む、と軽く頭を下げた。
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

415人が本棚に入れています
本棚に追加