『双子』

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『双子』

昼休み、私は静かに読書をしていた 目の前には君が突っ伏して寝ている 部活疲れなのかもしれないけれど (もっと本読めばいいのに‥) 君は本が苦手で、私が勧めてもなかなか読もうとはしない 本に限ったことではない 私と君はまるで違う 身長の高い君、身長の低い私 運動神経が良い君、運動音痴な私 文系な君、理系な私 陰性な君、陽性な私 唯一同じなのは名字だった だから偶然知り合った私と君は今もこうして共にいる すると突然 「なーに読んでんの?」 近くで自習をしていた友達が聞いてきた 「あ、三国志だよ」 「私も読んでる!‥」 ちらりと君の頭を見て 「それにしてもよく寝てるね」 「寝るの好きだからね」
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