迷子の侍

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  「あーっ!!此処何処だよぉーっ!!」 突如山に響く悲痛な叫び声。 声を発した青年は、頭に両手を置き、頭をブンブン振っている。 「煩いよ。黙れよ晋作・・・そして死ね。」 どうやらお供がいるらしく、お供の方は叫んだ相手を睨みつけながら毒を吐く。 「ひでぇよ!! てか、そんな事言ってる場合じゃねー!! 此処何処なんだよっ!!」 “晋作”と呼ばれた青年は叫ぶ。青年の顔立ちは整っており、髪は適当に結んでいる。服は紫。 一方のお供の方は笠を被っているが、髪は茶色い。そして、またもやイケメン。 「知らないよ。晋作が知ってるって言ってそれを信じた僕も悪いけど、元を辿れば晋作のせいじゃん。 晋作知ってるんでしょ?」 青年はギロッと晋作と呼ばれた青年を睨む。晋作と呼ばれた青年は ウッ とたじろぐ。 「っ・・・そのぉ、知ってるんだが・・・その・・・。」 晋作と呼ばれた青年は、目をお供から離し、しどろもどろに答える。 お供は ハァーッ と大きなため息を吐いた。それは、教科担がかなり悪い点数を返すときのように。 「言い訳は良いよ。とりあえずどうするの?食料なんて、何処にもないし、川も見当たらないし・・・何処かも分からないし。 どうすんの?“暴れ牛”。」 「ウグッ・・・・・・すっ、すみません。」 晋作と呼ばれた・・・長いので暴れ牛は、頭を下げる。 そんな二人の近くの草むらが ガサガサ と音を立て揺れる。 二人はサッと刀に手をつけ、草むらを見る。  
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