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理嵐はただニヤニヤしながら二人を見る。
理嵐には面白くて仕方がないのだ。
己を睨みつける人間の目をみるのが。
ここの所理嵐は態度・・・性格が荒々しくなってきている。
理由は母方の妖怪の血がそうさせているのだ。
妖怪は本来人を喰らう生き物だ。
妖狼族は、神 と呼ばれる白の力により、大人しくしている。
だが、妖力が高まる満月には神の鎖を解き放ち易々と人を襲う事も少なくない。
現に、
“満月は人を狂わせる”
という言葉が有るように妖狼の血が入っている理嵐も性格が荒々しくなり、加虐心がフツフツと出てくるのだ。
その結果が今の現状だ。
「ククク・・・。
面白いな~。もっとその面(ツラ)見せてよ。」
理嵐は右手を口にあて妖艶に微笑む。
そんな理嵐の何気ない行動に二人は真っ赤になる。
「・・・君、良い性格してるね。」
栄太郎は冷や汗を流しながら欝すらと笑う。
「おい、理嵐。お遊びはそこまでにしとけ。」
狛羅は理嵐が狂ってきているのが分かってるのか、グルグルと唸り声をあげながら二人と理嵐の間に入る。
「クスクス・・・分かったよ。狛羅。だからその唸り声は止めて?」
理嵐は小さく笑うと両手を軽くあげ降参の行為を表す。
「・・・ここは礼をいうのか?」
高杉は困惑気味に狛羅に尋ねる。
「気にするな。」
狛羅は高杉をチラッと見た後理嵐の傍に寄り添う。
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