局中法度

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  そんな時だったー・・・。 今までいたの? と思われる程静かだった人物が叫びだしたのだ。 「ああああああっ!! 素晴らしいっ・・・素晴らしいよ神崎君っ!!」 叫びだしたのは、勉強大好きな山南副長だった。 山南はバッと理嵐の手を両手で掴み、目ウルウルさせながら力説する。 「“遺伝子”“霊長類”・・・さらには“読心術”!!素晴らしいよ!!君は化け物なんかじゃないっ!!君は天才だっ!!何しろ・・・・・・・・・。」 と、長々と力説をする山南。 理嵐もビックリしているが、山南の興奮状態を初めて見る歩は引き攣っている。 山南の叫び声にワラワラとお馴染みの隊長達が集まってきた。 「あれ・・・山南さんか?」 「みたいですね。」 「神崎君!!君は何でも知ってる素晴らしい!!」 「えっ?それは違いますよ?」 理嵐は山南の言葉を否定する。 「どういう事だい?君でも知らない事があるのかい?」 理嵐はウーンと考えて人差し指をピンッと立て思い出したように言う。 「モンテーニュは言った。Que sais-je?と。」 「「「?」」」 全員がいきなり言われた英語を理解できるはずがなかった。 「ようするに、“我は何を知るか?” 簡単に言い換えれば、 “お前は世界の何を知ってるんだ?” って言う壊疑論ですよ。 私はまだまだ無知何です。だから知りたい。より深い探究の道に行きたいんです。」 「へ~では理嵐は何を知りたいんですか?」 沖田は興味津々に聞く。 「あぁ・・・それは、 “ただのタンパク質の塊である脳がどうして意志を持つのか”と言う事ですよ。」 そう、理嵐が知りたいのは脳の仕組み。 脳はタンパク質の塊・・・いわば細胞の塊だ。 そのタンパク質の塊が何故意志を持つかが知りたい。神経かと、一度は考えたものの、神経が脳に大量の情報を与え、脳は意志でそれらを見る。 事実、私達が見ている世界は“目”ではなく、“目”で捕らえた情報を“脳”で見ているのだ。 『たっ単舶質?』 「あぁタンパク質ですか。」 皆が疑問を浮かべる中沖田だけが理解していた。 これには皆さんビックリな様子。  
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