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「にしても総司が、恋人を斬れないって言うのは以外だったな~。」
理嵐と沖田は壬生寺の境内をのんびり歩いていた。
「・・・俺だって好きな女は斬れねぇよ。」
沖田は理嵐をチラッと見た後答える。
理嵐は ふ~ん と興味なさ気に答える。
理嵐の肩に一羽の雀が降りる。
チュンチュン と小さく囀(サエズ)りながら、理嵐の肩をちょこまかと動く。
その様子を二人は黙って見ていた。
そんな時理嵐の身体がビクンッ!!と跳ねた。
雀は驚きバタバタと羽ばたきをしながら空へ飛んだ。
そして理嵐は荒い呼吸をしながら膝を着く。
「理嵐っ!!」
沖田は慌てて理嵐に駆け寄る。
「ゴホッ・・・ッハァ!!」
右手で胸を抑え呼吸を整えようと理嵐は深呼吸をする。
沖田はハラハラしながら、理嵐の背中をさする。
「・・・っ!!?」
そんな時沖田は信じられないモノを見た。
理嵐の左手が欝すらと消え初めてるのだ。
沖田は鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けたように目を見開き、理嵐を抱きしめた。
「そ・・・ハッ・・・う、じっ?」
「ダメ・・・理嵐っ理嵐っ!」
沖田は理嵐の身体を強く抱きしめる。
まるで見えないモノに理嵐を連れて行かれないようにするように。
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