人生あきらめは肝心

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「ふぁ~・・・眠っ・・・」 理嵐は遅刻しているにも関わらずのんびり学校への道を歩いていた。 すると急に止まりキョロキョロし始めた。 そして今来た道を振り返り呟いた。 「・・・弁当忘れた。」 そう言った瞬間回れ右をし、来た道を逆走した。 白は空を眺めていた。 そして理嵐の存在に気付いた。 「オワッ⁉何してんだ・・・理嵐?」 「弁当忘れたから帰ろ」 ニコッと満面の笑みを浮かべ理嵐は山へ戻る。 「あっおい、理嵐‼」 慌てて白は理嵐を追いかけ山へと姿を消した。 《よい子は学校サボってはいけません。》 理嵐は一度家に戻り私服に着替えて、近くの神社へ足を運んだ。白はその後を追いかける。 「神崎さ~ん」 理嵐は境内で掃除をしていた人物を呼んだ。 「あぁ、理嵐ですか。学校はどうされたのです?」 神崎さん と呼ばれた人物。彼は此処の神社の神主で理嵐を学校等へ行かせている心優しい人物。 「ん~遅刻して、おまけに弁当忘れちゃって帰ってきた」 「帰ってきたって・・・白様どうして確認なさらなかったのですか」 諦め半分で神崎は白に聞いた。 「俺は知らん。・・・って理嵐何処に行く⁉」 「御神木ー‼」 理嵐はタッタッとリズム良く走り出し、御神木の元へ向かった。もちろん白もため息をつきながら追いかけた。 「ふぁ~やっぱり大きいなー」 理嵐は御神木を見上げていた。 「当たり前だ。俺様が此処を縄張りとしていた頃からあるんだぞ」 「知ってる・・・」 白が自慢しているのにも関わらず、理嵐はシカトし、御神木に触れようとした。 《ビュウゥゥゥ・・・ 突然風が吹き出した。 白は天を見上げ、理嵐はまるで見入るように御神木をみた。 【向カエ・・・向カエ・・・】 突如聞こえた謎の声。だが理嵐はまるで声の主がわかるかのように耳を傾けていた。 【歴史ヲ・・・変エヨ・・・】 「何処の歴史を変えればいいの?」 理嵐は御神木に向かって問い掛けた。 【我連レテユク・・・向カエ、我ガ娘ヨ】 声はそこで途切れると、理嵐の身体が透け始めた。 「‼っ理嵐‼」 白は消えかかる理嵐に飛びついた。 《カッ‼ 理嵐がいた場所は光に包まれた。すると先程まで吹いていた風は止み、妖狼とその娘の姿は消えていた。 。
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