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「・・・・・・ら・・・り・・・んっ・・・りら・・・理嵐っ‼」
白の呼びかけに理嵐は飛び起きた。
「オワッ⁉・・・って何だ白か・・・」
「おい、何だとは何だ?」
白はグルル・・・と喉を鳴らして唸っている。
「此処・・・何処?」
理嵐は周りをキョロキョロと見渡した。
「シカトかよ・・・どうやら飛ばされたみたいだ。」
「飛ばされた?・・・成る程じゃあ此処は平成の世界では無いんだな?」
理嵐は一瞬キョトンとしたが直ぐに理解をした。
「(物分かりが早くて楽だな・・・)あぁ、お前が目を覚ます数分前にここら辺をみたが、どうやら幕末の京都のようだ。」
白は尾をユラユラと左右に動かし、空を見上げながら説明した。
「幕末の京都・・・ね。って事は・・・」
白は何か気付いたようで、二人は顔を見合わせた。
『新撰組っ‼』
と、二人は一緒に叫んだ。
「俺、新撰組の沖田と試合したい‼」
理嵐は興奮気味で目はキラキラと輝いていた。
「試合したいなら、入隊か浪士としてだな・・・その前に服をどうにかしないと・・・」
「ムッ・・・」
理嵐は現代から飛ばされたままで服は紫のパーカでジーンズと幕末ではありえない格好をしていた。
「ん~・・・刀も無いから浪士では無くなるよな」
理嵐はブツブツと思案仕出した。
「・・・もうこれは・・・」
白が呟くと理嵐はコクっと頷いてまた二人同時に呟いた。
『盗むか・・・』
言った後二人には沈黙が訪れた。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダメだよな・・・』
案外真面目な二人でした。
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