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女性は両手で顔を覆い、いまにも崩れそうなほど足はがくがく震えていた。 死体は女子高生。電柱についた血と死体のある場所から考えると、ひき逃げだろう。
放心状態でなにも出来ない女性をみて、オレは救急車をよんだ。だがその女子高生は明らかに息をしていない。
オレは放心状態の女性に近付き『大丈夫ですか?』と聞くと返事はかえってこなかった。
オレはため息をつき、冗談言える状況ではないとわかっていながらも、死体にむかって『生き返れよ』と一言つぶやいた。
『ぎゃー!』
返事もしてくれなかった女性がまた悲鳴をあげた。 オレはあまりにびっくりして飛び上がり女性を怒鳴った『なんだよ!』 女性の目線の先に目をやるとさっきまで明らかに死んでいたはずの女子高生の体は傷一つなく、何もなかったかのように立ち上がり、制服にびっしりついた血を見てまたしても悲鳴をあげた。
もしかしてオレがさっき言ったことが…
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