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少し埃のかぶったダンボールを開け中身を広げる
中には、不思議な形をした着物にさらしが数枚と真っ黒なマント、それにすねまでの短いブーツが入っていた
着ていたネグリジェを脱ぎ、さらしを胸元に巻く
そして不思議な形の着物を広げる
漆黒の着物に浮かび上がる桜の刺繍が幻想的で、未月は思わずその刺繍をそっとなぞった
着物はやっぱり日本で仕入れるのが1番
この繊細な技術は真似できない
未月はその着物を羽織り、身体に合わせて整えていく
戦いの中で得た経験をこの着物に入れ込んだのだ
その結果出来上がった着物は異質だった
肩の辺りで不自然に切られた袖はタンクトップのようになっており、それと切られた袖が緩く紐で繋ぎ合っている
そして着物の裾は膝上でカットされており、切った着物は帯に縫い付けてくるぶしまで流れていた
後ろから見るとまるでロングスカートをはいているかのようにみえる
そうすることで手足の可動域があがり、攻撃の幅が広がる
私が、女が戦うにはこうした工夫が必要なのだ
そして袖の中には苦無と小刀が隠され、腰には見えないように銃が入っていた
ブーツは鉄製でまわりが皮で覆われている
見た目に反して、蹴ればそれなりの衝撃が与えられるということだ
この戦闘服が私を守ってくれる
誰かが守ってくれるわけではない
自分で自分を守るしかないのだ……
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