第1話 ~夢の始まり~

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「……えっと、ここに住んでる人ですか?」  そう話しかけると、 その女の子はおれの方を振り向いた。  振り向いたその女の子を見たとき、 おれは思わず驚いてしまった。  腰まですらっと伸びた金髪に、しっかりと背筋を伸ばした立ち方。  顔立ちもしっかりしていて、 おれは見た瞬間どこかのお嬢様か何かかと思った。 だけど、身長がわりと小さく、もう一度確認すると、 かわいい人形のようにも見えた。  そんなことを考えていると、 その女の子は口を開いた。 「……残念ながら少し違うわ。 これから住む、と言ったほうが正しいわ。その聞き方からするに、あなたも今日からここに住むのかしら?」  おれはその女の子の喋り方におどろきながら、 ちょっと遅れて答えた。 「……あ、そうだけど。 制服が星蘭のだし、もしかして君も1年?」 「そうよ。あなたも星蘭の1年のようね。これからここに一緒に住むのだから、仲良くしましょうね。」  若干笑いながら彼女はそう言った。 「よろしく。おれ、島崎祐輔ってゆうんだけど、君は?」  おれがそう言うと、 少し間が空いてから彼女は答えた。 「わたしは瑠璃垣奏よ。これから三年間楽しくやっていきましょうね。」  そう言って、 彼女は玄関に入っていった。  おれも少し戸惑いながら彼女の後についていくのだった。 「読み」 星野 麻衣(ほしの まい) 瑠璃垣 奏(るりがき かなで)
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