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そんなことを想像してると、奏が聞いてきた。
「で、わたしがどうしてここに住もうとしてるか分かったかしら?」
「あぁ。突然聞いてごめんな。まぁー、これからよろしくな」
おれがそう言うと、奏はまた微笑みながら言った。
「えぇ。よろしく祐輔」
そうして二人で話していると、受付の奥の扉から人が出てきた。
「二人共玄関で何してるの? 入らないの? もう他の子たちはみんな揃ってるから」
そう言っておれたちの方に向かってきたのは、このすばるの管理人の松田久美子さんだ。
セミロングくらいで、毛先にウェーブのかかった茶色の髪。
身長がやや高く、スタイルは抜群だ。
それに、けっこう露出度の多い服を着ている。
見た目はもうどこかのキャバ嬢と言ってもいいくらいきれいだ。
そんなきれいな人が、なぜこんな和風アパートの管理人さんをやっているのかというと、
この和風アパートすばるは、元々は管理人さんのおばあちゃんが建てた旅館らしい。
だけど、おばあちゃんが亡くなってしまって、身内で誰かが継ぐことになったけど、
継ぐ人が現れず、管理人さんはその時は仕事をしてなかったらしくて、無理やりお母さんにやれと言われて、管理人さんになったらしい。
なんでおれがそんなことを知っているのかというと、一度ここに引っ越しの準備をしに来た時に話してくれたからだ。
で、その美人の管理人さんがおれたちに話しかけてきたのだ。
おれたちはやや遅れて、
「あ、すいません」「わかったわ」
と言ってから、靴を脱いでスリッパに履き替えた。
それを見ていた管理人さんは、おれたちがスリッパに履き替えたのを見てから、
「ついてきて。他の子はもう集まってるから」
そう言っておれたちは、見た限り大きな部屋の前まで連れてこられた。
その部屋の引き戸の上には、
集会・食事の場、スピカと書かれていた。
きっとここに他のすばるのメンバーがいるんだろう。
一体どんな人たちがいるんだろう。
そう考えると、おれは少し緊張してしまった。
そう考えていると、さぁここよと管理人さんが言ってから、
その部屋への引き戸が開けられた。
「読み」
松田 久美子(まつだ くみこ)
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