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そして、
おれは今星蘭に向かっている最中なのだ。
天気は雲一つない快晴。
太陽の日差しがすごく心地のいいものだと感じるほどだった。
周りは何本か桜が咲いていて、
春だなぁと実感させた。
それからおれはその場に立ち止まって、
桜を見ながら一人、つぶやいた。
「平和っていいな~」
そうつぶやいて、
おれはまた星蘭に向かって歩き始めた。
平和ってのは本当に最高だと思う。
なんせおれの夢は、
普通で平和な人生を過ごすことだからな。
一人暮らしなら誰にも邪魔されることはないだろうし、
自由になれるしな。
そんなこんなで、
おれは新しい生活に少し期待していた。
「……楽しみだ」
しかし、
そんなことを言ってられるのは今だけだった。
これから始まる新しい生活は、
おれが今考えてるような平和的なもんなんかじゃなかった。
だけど一つだけ合っているものはあった。
本当に今まで体験したことのない、
新しい生活になるのだから。
「読み」
島崎祐輔(しまざき ゆうすけ)
星蘭(せいらん)
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