終章  桜雨

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教師になるとき、京子は自分が先生として子供たちに認めてもらえるのか、好かれるのか、そればかりを気にしていた。 でも、今はそんな自分がおかしく思える。 自分が子供たちを好きになること、それが、教師という仕事だ。 本気で子供たちを愛して、そばにいることができたら…… 君のことをわかっている、と言ってあげられたら…… それが、京子の選んだ「先生になる」という道だった。 いまでも、京子には自信なんてなかった。 今度、教室で新しい子たちに出会ったとき、目の前に座る児童たちに会ったときに、また聞いてみればいい、と思った。 私が教師でいいのかな? と。    二組の児童たちと揃って会えるのは、今日が最後だ。 でも、終わりはすべての始まり。 新しい一歩を踏み出す子供たちの頭上に、薄紅色の桜の花片が何枚も躍っていた。 (終わり)             
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