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京子は、公務を無断で放棄したことで、教育委員会からの厳重注意と三ヵ月間の減給処分となった。
しかし、よく事情を知るものは、誰も京子を責めなかった。
なによりも六年二組の児童たちの誰もが、京子を支持していた。
自分たちの卒業式に先生がいなかったことよりも、井坂先生が選んだ方法を、
「それしかあらへんよね」
と理解していた。
それは、この二年間に京子と児童たちに築かれた強い信頼関係を示していた。
傷害事件となったために、西本は家庭裁判所で手続きをとらなければならなかった。
その調査で、現場の目撃者として京子は呼ばれていた。
もとより京子は出席するつもりだった。
今後、じっくり西本と話すためにも。
家庭裁判所で、京子は目撃した事実を話すと同時に、日頃の西本について知るところを話した。
それは、タイジとの話から浮かぶ、面倒見のよい兄貴分としての陽の部分だった。
この話が、裁判官の心象によいものを残してくれればよいと願った。
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