少年の章

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*** その夜は風が強く、まさに北風全快という感じであった。勇一は寒さに震えながら家の前で約束の時間を待っていた。 もう20分も約束の時間を過ぎている。 (先生も思い直してくれたんだろうか) しかし、それは一瞬の杞憂であった。 あの彼に限って約束を実行しないことなんてない。 (なんで、なんで、こんなことになってしまったんだ。僕はただ社会に認められず引きこもりをしていただけだったのに) 「またせたな」 笹崎が来てしまった。
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