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その夜は風が強く、まさに北風全快という感じであった。勇一は寒さに震えながら家の前で約束の時間を待っていた。
もう20分も約束の時間を過ぎている。
(先生も思い直してくれたんだろうか)
しかし、それは一瞬の杞憂であった。
あの彼に限って約束を実行しないことなんてない。
(なんで、なんで、こんなことになってしまったんだ。僕はただ社会に認められず引きこもりをしていただけだったのに)
「またせたな」
笹崎が来てしまった。
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