52人が本棚に入れています
本棚に追加
「ゴオオオー」
炎は更に火柱をあげて二階にまで達しようとしていた。
「え、なんで?先生?」
後ろを振り向くと誰も人はいなかった。
「わあーお父さん、お母さん」
勇一は炎の熱さに耐えながら玄関のドアを激しく叩く。その音に気づいた両親が二階から降りてきた。
「これは!?しょ、消防車を呼びなさい。あと砂とか泥とか園芸用のがあるだろ」
父親は的確に母親に指示を出す。
母親も懸命にそれに応える。
勇一はへたれこんで、絶叫しながら泣いていた。
その声は深夜の住宅街に響き渡った……
最初のコメントを投稿しよう!