少年の章

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「ゴオオオー」 炎は更に火柱をあげて二階にまで達しようとしていた。 「え、なんで?先生?」 後ろを振り向くと誰も人はいなかった。 「わあーお父さん、お母さん」 勇一は炎の熱さに耐えながら玄関のドアを激しく叩く。その音に気づいた両親が二階から降りてきた。 「これは!?しょ、消防車を呼びなさい。あと砂とか泥とか園芸用のがあるだろ」 父親は的確に母親に指示を出す。 母親も懸命にそれに応える。 勇一はへたれこんで、絶叫しながら泣いていた。 その声は深夜の住宅街に響き渡った……
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